
ビジネスメールでよく目にする「ご査収ください」。
でも「これって失礼じゃない?」「使い方が合っているか不安…」と迷ったことはありませんか?
本記事では「ご査収ください」の正しい意味や用法、シーン別の例文、NGな使い方まで、わかりやすく解説します。
新社会人・就活・転職活動中の方にも役立つ内容ですので、ぜひご一読ください!
目次
「ご査収ください」とは?意味と基本の使い方

ビジネスメールで頻繁に見かける「ご査収ください」という表現。
なんとなく使っている方も多いかもしれませんが、実は意味や使い方を正しく理解しておくと、よりスマートなビジネスコミュニケーションにつながります。
「査収(さしゅう)」とは「調べて受け取ること」という意味です。
つまり「ご査収ください」は「内容をご確認のうえ、お受け取りください」という丁寧な敬語表現になります。
語源と読み方
「査」は「調べる」、「収」は「受け取る」という意味で、あわせて「さしゅう」と読みます。
この言葉には「相手が内容を確認し、正式に受け取る」というニュアンスが込められています。
どんな場面で使う?
「ご査収ください」は主に以下のようなビジネスシーンで活用されます。
・ メールにファイルを添付して送るとき
・ 請求書・納品書・領収書などの書類を送るとき
・ 商品や成果物を郵送またはデータで納品するとき
たとえば「〇月分の請求書をお送りします。
ご査収のほどお願いいたします」といった形で用いられます。
なお、口頭ではほとんど使われず、メールや文書上で使用する表現と覚えておくとよいでしょう。
「ご査収ください」は失礼?注意が必要なシーン

「ご査収ください」という表現、
「失礼ではないか?」「上司に使っても大丈夫?」と迷った経験はありませんか?
このブロックでは、使用する際に注意しておきたいポイントやシーン別の使い方を解説します。
上司や目上の方に使っても問題ない?
「ご査収ください」は、基本的には失礼な表現ではありません。
むしろビジネスシーンにおける丁寧な敬語表現であり、取引先やお客様にも安心して使えます。
ただし、直属の上司や役員など、より目上の立場の方に送る場合には、次のようにワンクッション置いた表現に整えるとより好印象です。
(例)「ご査収のほどお願い申し上げます」
また、社内文化や職場によっては、あまり聞き慣れない場合もあるため、
その場合は「ご確認ください」などに言い換えると柔らかく伝わります。
カジュアルな場面には不向き?
「ご査収ください」は格式がやや高めの表現。
そのため、親しい間柄やカジュアルなメールではやや堅苦しい印象を与えることも。
たとえば同僚や社内のメンバー宛の場合には、
・「ご確認ください」
・「ご覧ください」
など、より自然な表現に置き換えるのがおすすめです。
TPOに応じた使い分けが大切ですね。
誤解されない言い回しのコツ
「ご査収ください」を単独で使うとやや事務的に映ることもあるため、相手に配慮する意図を伝えたい場合は、クッション言葉を添えて使うとよいでしょう。
(例)
「お忙しいところ恐れ入りますが、ご査収のほどお願い申し上げます」
こうしたひと言が添えられると、より好印象を与えやすくなります。
ビジネスメールでの「ご査収ください」例文集
「ご査収ください」という表現は、どのようにメールの文面に組み込めばよいのでしょうか?
ここでは、社内・社外・就活・転職活動など、さまざまなシーンに応じた使い方の例文をご紹介します。相手や場面に応じて自然に活用できるようにしましょう。
社内メールでの例
件名:〇〇月分 経費精算書の送付につきまして
〇〇部 部長
いつもお世話になっております。
〇〇月分の経費精算書を添付ファイルにてお送りいたします。
ご査収くださいますよう、お願い申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。
社外取引先向けメールでの例
件名:〇〇株式会社 ご請求書の送付につきまして
〇〇株式会社
経理部 〇〇様
平素より大変お世話になっております。
このたび、〇〇月分のご請求書をPDFにてお送りいたします。
お手数ではございますが、ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます。
ご不明な点などございましたら、どうぞご遠慮なくお知らせくださいませ。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
就職・転職活動中に使う場合の例
件名:応募書類の送付について(氏名)
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様
お世話になっております。
このたび、貴社の採用募集に応募させていただきたく、履歴書および職務経歴書をお送りいたします。
ご査収のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
「ご査収ください」の言い換え表現と活用例
「ご査収ください」という表現は便利ですが、
「少し硬すぎるかも?」「何度も使うと単調になる」「相手との距離感が気になる」
と感じる場面も少なくありません。
そんなときに役立つのが言い換え表現です。
ビジネスメールの場面ごとに柔軟に使い分けることで、より自然なやりとりが生まれます。
ここでは代表的な言い換え表現とその活用例をご紹介します。
① ご確認ください
【例文】
「〇〇の件につきまして、資料を添付いたしました。ご確認くださいますようお願いいたします。」
② ご覧ください
【例文】
「新しい企画書をお送りいたします。お時間のある際にご覧ください。」
③ お目通しください
【例文】
「会議資料を共有いたしますので、お手すきの際にお目通しください。」
④ 場面ごとの使い分け方
シーン | 適した言い換え表現 |
---|---|
社内メール | ご確認ください / ご覧ください |
目上の方・取引先 | ご査収ください / ご確認ください |
軽めの報告・共有 | お目通しください |
フォーマルな提出物 | ご査収ください |
「ご査収ください」のNG例とよくある誤用パターン
「ご査収ください」は便利で丁寧な表現ですが、使い方を誤ると相手に違和感を与えてしまうこともあります。
ここでは、NG例やよく見られる誤用パターンをご紹介します。
ぜひ参考にして、正しくスマートに活用しましょう。
①「査収」の誤用例
誤用例
「お電話でご査収ください」
「会議でご査収ください」
NG理由
「ご査収ください」は書面や資料などを確認して受け取ることが前提の表現です。
会話や口頭でのやり取りには使用しません。
② 不要な場面での使用例
誤用例
「イベント案内のチラシを送ります。ご査収ください。」
「社内通知のお知らせです。ご査収ください。」
NG理由
参考資料やお知らせのような場面では「ご査収」はやや大げさに映ります。
「ご確認ください」「ご覧ください」が自然な表現です。
③ 相手の立場や状況を考慮しない使い方
例
重要な取引先や目上の方宛のメールで、簡潔に「ご査収ください。」だけで締める。
NG理由
相手との関係性や文脈によっては、ぶっきらぼうな印象を与えることもあります。
「お手数ですが」「恐れ入りますが」といったクッション言葉を加えると、より配慮が伝わります。
よくある誤解:「ご査収=確認だけ」?
「ご査収ください」は「確認+受領」の意味を持ちます。
そのため、納品物や請求書など、受領確認が求められる文脈で使うのがふさわしい表現です。
単なる情報共有や案内メールでは、別の言い方に言い換えた方が自然です。
今回のまとめ
今回は「ご査収ください」の正しい意味や使い方、注意すべきシーンや言い換え表現まで詳しく解説しました。
改めてポイントを整理すると:
・「ご査収ください」は「内容を確認し、受け取ってもらう」ことを丁寧に伝える表現
・ 書類や納品物など「受領」が伴う場面に適している
・ 場面や相手によっては「ご確認ください」「お目通しください」など言い換え表現も活用できる
・ 誤用や過剰な使用には注意が必要
社会人としてのメールマナーは、日々の小さな積み重ねが大切です。
「ご査収ください」のような敬語表現も、正しく使い分けることでビジネスの信頼感が高まります。
ぜひ今回の記事を参考に、あなたのビジネスメールに自信を持って使いこなしてください!