
「お寺で葬儀をあげたい方が減っている…」
「檀家以外の葬儀も受け入れたいけれど、どうやって広めればいいのかわからない」
そんなお悩みを抱える寺院の皆さまへ。
現代ではインターネットを通じて“ご縁”が生まれる時代です。
実際、ホームページを通じて葬儀や納骨の依頼が増えたお寺も少なくありません。
この記事では、寺院が葬儀の依頼を増やすために必要なホームページ制作のポイントや、集客につながる工夫をわかりやすく解説します。
これから寺院として葬儀募集を始めたい方や、今のホームページに悩んでいる方に役立つ実践的な内容です。
目次
なぜ今、寺院にホームページが必要なのか?
時代は変わりました。
かつては「家のお墓=代々の寺院」と決まっていた時代。
しかし現在では、「お寺選び」も自由な選択の時代になっています。
檀家制度の崩壊が進み、葬儀の形式も「家族葬」「直葬」「寺院葬」など多様化しています。
そんな中で、求められるのは「信頼できるお寺」の情報をネットで探している人たちにどう見つけてもらうかという視点です。
今や、葬儀の相談をする前に、まずGoogleで「〇〇市 葬儀」と検索するのが当たり前になっています。
つまり、ホームページは“現代の門前”とも言える存在。
どれだけ素晴らしいご住職がいても、どれだけ歴史ある寺院でも、ホームページで情報が伝わらなければ、「供養先として選ばれない」のです。
また、ホームページを持つことは「開かれたお寺」としての信頼感にもつながります。
これまで「入りづらい」「どう問い合わせていいかわからない」と思っていた方にも、オンラインで“ご縁”をつなげるきっかけになるのです。
葬儀を募集する寺院ホームページの基本構成
お寺での葬儀を募集するために、ホームページは“信頼感と安心”を伝える場であるべきです。
難しいことはありません。見る人が「このお寺ならお願いしてみたい」と思えるかどうかがカギです。
まず重要なのはトップページの設計です。
お寺の外観や本堂の写真を大きく配置し、荘厳さや温かさを感じられるデザインにすることで、第一印象が大きく変わります。
次に、訪問者が探している情報にすぐアクセスできるよう、「葬儀の流れ」「費用」「法要」「納骨堂」「檀家制度」など、目的別のナビゲーションが必要です。
迷わせない導線が、離脱率の低下につながります。
また、葬儀の流れや費用はとくに不安を感じやすい部分なので、丁寧な解説と明確な料金表示が重要です。料金が明示されているだけで、「問い合わせるハードル」がぐっと下がります。
加えて、葬儀だけでなく納骨・法事・永代供養など関連する供養についても掲載することで、葬儀後の流れをトータルでイメージしやすくなります。
訪問者にとって“わからない”を“わかる”に変える構成こそが、信頼を生む第一歩。
まさにホームページが「寺院の顔」になるのです。
集客につながる7つの工夫【実践編】

ここでは、実際に寺院のホームページに取り入れることで「葬儀のお問い合わせ」が増えた例が多い、具体的な7つの施策をご紹介します。
どれも大きなコストをかけずに始められる工夫ばかりです。
① 葬儀プランの明確な提示
「一日葬」「家族葬」「寺院葬」などのプランをわかりやすく分類し、価格帯・含まれる内容を表形式で示すと、利用者は比較しやすくなります。
「○○円〜」「このような方におすすめ」など補足説明も効果的です。
② スマホ対応のデザイン
年配の方もスマホで検索する時代。スマートフォンでも見やすく、指でタップしやすいレイアウトを取り入れることで、アクセスの離脱率を下げられます。
③ よくある質問(FAQ)を掲載
「どんな服装で来ればいいの?」「戒名は付けてもらえるの?」「納骨はいつできる?」など、実際に問い合わせの多い質問を事前に記載しておくことで、安心感と信頼性がアップします。
④ お坊さんの人柄が伝わる自己紹介ページ
「このご住職になら相談してみたい」と思ってもらうには、人柄の伝わる紹介文が効果的です。
写真や日々の想い、仏教観、これまでの経験などを丁寧に書くことで距離感がぐっと縮まります。
⑤ 実際の葬儀事例とお客様の声
ご家族の許可を得て、葬儀の様子や感想を掲載すると、利用者のリアルな声として信頼につながります。葬儀事例があると「ここなら大丈夫そう」という気持ちになりやすくなります。
⑥ 近隣エリア+「葬儀」で上位表示されるSEO対策
「○○市 葬儀 お寺」「△△町 家族葬 寺院」などで検索されやすいキーワードを意識してページ内に自然に散りばめることで、検索エンジンで見つけてもらいやすくなります。
⑦ お問い合わせフォームの簡便化と電話番号の見せ方
入力項目は最低限にし、スマホで簡単に送れるようにするのが鉄則。
加えて、ページ上部と下部に固定の電話番号バナーを設置すると、すぐに電話してもらえる確率が高まります。
このような工夫を取り入れることで、見込み客との距離はぐっと縮まり、実際の“ご縁”に結びつく可能性が高まります。
特にご住職ご自身の言葉で語られる「想い」は、他の寺院との差別化にもつながります。
葬儀を希望する人に響く文章とデザインのコツ
どれだけ内容が充実していても、「伝わる」文章でなければ、お問い合わせにはつながりません。
特に、葬儀という人生の大切な局面では、見る側の“感情”に寄り添うことがとても大切です。
読者の「不安」に寄り添う文章を書くには?
ホームページを訪れる人の多くは、「葬儀をどうすればいいかわからない」「何から相談すればいいのか不安」といった思いを抱えています。
だからこそ、専門用語を使わず、やさしい言葉で説明することが基本です。
たとえば、
❌「通夜・葬儀・告別式は当山にて厳修いたします」
✅「通夜や葬儀のご相談も、初めての方にわかりやすくご案内します」
というように、相手の立場に立った表現を心がけましょう。
宗教用語をやさしく伝える工夫
仏教用語や宗派の表現は、丁寧に補足して伝えるのが理想です。
たとえば「読経」は「仏さまにお経を届ける祈りの時間」といった補足を加えると、一般の方にも理解しやすくなります。
写真の撮り方・色合い・レイアウトの考え方
文章以上に大事なのが“雰囲気”を伝える写真です。
撮影する際は、明るく、清潔感があり、落ち着いた印象を与えるものを選びましょう。
本堂の内観や葬儀の祭壇、花のアレンジなどが丁寧に写っていると、安心感を与えられます。
レイアウト面では「余白を大切にしたデザイン」が基本です。
詰め込みすぎず、呼吸がしやすい“間”をつくることで、上品な印象になります。
「温かい」「丁寧」「信頼できる」印象を作るには?
一番効果的なのは、ご住職の言葉です。
「お葬式を通じて大切な方を送る時間に、心を込めて寄り添いたいと思っています」など、ご自身の想いや姿勢を語ることで、共感が生まれます。
また、「お寺の雰囲気を感じられる写真+想いのこもった文章」の組み合わせは、他寺院との圧倒的な差別化ポイントになります。
ホームページ公開後の運用と改善ポイント
ホームページは作って終わりではありません。
「作ってからが本当のスタート」です。
継続的に更新・改善を行うことで、検索順位や問い合わせ数は着実に上がっていきます。
SNSやGoogleマップとの連携
まずはGoogleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)を登録しましょう。
地図検索に強くなり、「○○市 お寺 葬儀」での表示確率が上がります。あわせて、InstagramやFacebookで季節の風景や法要情報を発信するのもおすすめです。
ホームページとSNSを連携させることで、拡散力もアップします。
葬儀相談会・見学会などイベント掲載
「どんな場所なのか、まずは見てみたい」という方のために、見学会や相談会を定期的に開催し、ホームページで告知しましょう。
「今月の催し」や「相談予約フォーム」があると、来院のきっかけになります。
問い合わせやアクセスの分析ツール導入
Googleアナリティクスやサーチコンソールといった無料のアクセス解析ツールを導入すると、訪問者がどのページを見て、どこで離脱したのかがわかるようになります。
これにより「どの情報をもっと強調すべきか」など改善点が見えてきます。
定期的な更新と「旬の話題」の発信
毎月更新するブログやお知らせ欄があると、検索エンジンから「活動的な寺院」と評価されやすくなります。
たとえば、
- 「春彼岸の供養受付中」
- 「住職のひとこと」
- 「永代供養についての新しいプランを追加しました」
といったタイムリーな情報を掲載することで、信頼性が上がり“再訪問”につながります。
ホームページを通じて得られるご縁は、一過性ではありません。運用の工夫次第で、地域との結びつきが強くなり、長く愛されるお寺づくりに貢献するツールとなるのです。
【まとめ】お寺の葬儀募集に効果的なホームページとは?
現代では「お寺の葬儀」も検索から選ばれる時代。
檀家制度が薄れ、個人でお寺を探す人が増えた今、ホームページは新しい“仏縁”をつなぐ入り口です。
ホームページでは、葬儀の内容や費用、流れを明確に伝え、訪問者の不安を取り除くことが最優先。
トップページの印象や導線、スマホ対応、よくある質問の掲載など、ユーザーにやさしい設計が鍵になります。
さらに、ご住職の人柄が伝わる紹介文や、葬儀事例・お客様の声などのリアルな情報は大きな信頼要素に。また、地域名+葬儀のSEO対策、問い合わせフォームの簡便化も集客には欠かせません。
そして、公開後は定期更新と運用改善を忘れずに。
SNS連携やイベント案内、Googleマップ活用で、地域の方と継続的なつながりを持てるようになります。
ホームページは単なる情報の羅列ではなく、「信頼を築き、ご縁をつなぐ場」です。
小さな工夫の積み重ねが、大きな“集客力”を生むのです。